四角い箱の中で

2006年10月10日
あたしは学校が好きだった。

四角い箱の中に整列するさらに小さな箱。
その小さな箱の中に並ぶ四角い机。

決まった時間に鐘が鳴り、決まった時間に声がして。

時々見上げる四角い窓の向こうには、どこまでも続く青い空と、夢と、惰性と、ほんのわずかな諦めと。

近頃の学校は四角くないらしい。
あんなハイカラな箱の中に閉じ込められてちゃ落ち着かないだろうに。

学校は、限りなく日常に近い非日常なのだから、器は限りなく無機質な物がいい。

むせかえるほどの生命感を閉じ込めるには、命を感じさせない箱が良いのにと、あたしは洒落た校舎を見上げるたび残念に思うのだ。

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